出発! 北京でエアチャイナのトランジットホテルを使う

とうとう世界旅行の出発の日がやってきた。

快晴のなか、羽田空港行きの高速バスの乗り場に向かう。バス乗り場まで義妹と姪が送ってくれた。前日、チームシマの2人の雰囲気が悪くなったのに、一晩経つとこの日の空と同様、さっぱりと晴れわたっている。いつ終わるとも分からない旅。窓からまだ6歳の姪に向かって手を振る。そして羽田へ。

中国国際航空(エアチャイナのフライト。この日は北京で1泊して、翌朝、モンゴルのウランバートルに行く。エアチャイナでは、中国の主要都市で乗り継ぎをする際に、宿泊が必要な場合はタダでホテルと乗り物を用意してくれるサービスがある。自分で手配する手間もお金も必要ない、何にしてもサービスが行き届いていない中国という国のイメージから離れた、ありがたいサービスだ。ただ、同社のサイトにある「乗継ホテル」で予約できるはずなのだが、何度試してもダメだったのは、やはり中国という感じか。仕方なく、虎ノ門にある東京支店に行って予約していた。こういうときに、首都圏在住ではなかったら困るだろう。

空港で搭乗手続きを終えた。2人の荷物の総重量は27.6キロ!重い。

エアチャイナに乗り込む。中国南方航空、中国東方航空は使ったことがあったが、国際航空は初めての利用。いよいよ世界旅行に出発!胸が高まる。

機内に乗り込むと、安全案内のビデオの主人公がなぜかパンダで、緊急事態に遭ってもマスクをつけるのを恥ずかしがったり、笑顔で危害脱出したりとツッコミどころばかり。これは旅行当時、別稿にしていた(「パンダとパクリとパワーゲーム」)ので、そっちを読んでもらった方がよく分かる。

機内食は大概、不味いと思うのだが、この日、出されたものは思っていたよりもおいしくて、思わず笑顔が出た。

中国の領空内に入り、北京が見えてくると、眼下には北京の街並み…の前に、濃いスモッグが広がっていた。かなり空気が悪そう。上空から見る都市の景色はいつ見ても楽しいものだが、この時ばかりは不安で胸がいっぱいになった。

北京空港に着き、入国審査後にエアチャイナのカウンターまで行ってトランジットホテルを利用することを伝えると、カードをもらう。20分後には呼ばれて、送迎のマイクロバスに乗ってこの日の宿泊先の「北京空港天竺賓館」へ。空港の外に出ると、妻のゆっきーは早速、マスク姿になっていた。

ホテルはしっかりとした外観で、2008年の北京オリンピックを機に建てられたらしい。ツインルームを用意してくれていたが、部屋の中はすでに劣化が進んでいて、水回りが悪く、シャワーを浴びると浴室の床がトイレまでびしょびしょになった。思わず脱力。

この先、水回りでは何度も頭を悩ませられることになり、日本の宿泊施設が水回りの点でいかに優れているかを思い知らされることになる。

さらに残念なことに、ゆっきーはこのホテルの部屋に漂っていた変な臭いにやられてすぐに寝込んでしまった。僕は宿の近くを散歩しているとコンビニを見つけて、夜食のカップ麺とビール、水を買って帰った。ぜっかく首都に来たのに、短時間でホテルの周囲を歩いて回っただけだったが、壁には中国共産党のスローガンが絵とともにいろいろと描かれていて、民主主義とは違う異国に来たことを十分に実感できた。

こんなスイカ売りもいましたよっと。

北京にもっと長いこといたら、いろいろ発見できたかも。それより先に、もともと弱い気管支や肺がやられてしまうかも。ゆっきーが寝込んだ理由のひとつには、大気汚染もあったかもしれない。

飲食物の品質も中国の不安要因の1つ。コンビニでは、多少は割高ながら、日清食品のカップヌードルシリーズを選んで買った。日本の飲食物も食品添加物が多くて安心できない。でも、それは中国の食の安全性とは次元の違う話だ。

ホテルに戻り、2人でカップヌードルを食べて早めに寝た。