ロシア その3 シベリア鉄道と無料FIFA号で大陸を横断 その2

ロシア横断の2回目は、エカテリンブルグからサッカーロシアW杯の試合を見るボルゴグラードまで。

ロシア号で2泊かけてエカテリンブルグに到着。下車して改札に向かうと、早速、サッカーW杯のマークがお出迎え。ここエカテリンブルグはW杯の会場になっていて、さらに最も東に位置する会場でもあった。逆にいえば、シベリアで開催された試合は1つもなく、こんなところにもロシア国内におけるシベリアの立ち位置が垣間見えた。駅の荷物預け所で、サッカー観戦にきていた日本人旅行者と初めて会った。シベリアでは日本人さえ全然見なかったのになあ。

写真では伝わってこないのが残念だが、エカテリンブルグはきれいで道も建物も広く大きくて、交通機関も鉄道、バス、トラム、トロリーバス、メトロと何でもあるようで、そこからも僕が見たシベリアとは違っていた。

カザン行きの夜行列車に乗るまで数時間、つかの間のエカテリンブルグ滞在は、トラムに乗ってこの国の各地にあるという食堂「スタローバヤ」に向かう。自分で料理を選んで会計して席に着き、食べる形式。

チームシマが選んだスタローバヤは天井が高く、整理されたおしゃれな店で、安くておいしく、この先、スタローバヤ通いを始めるきっかけになった。

帰りのトラムに乗り込もうとすると、W杯のラッピング車両がやってきた。

駅に戻って、有料のシャワーサービスを使ってからカザン行きに乗り込む。今度は3等寝台で、部屋はコンパートメントになっておらず開放式。周りは現地のロシア人と思しき人たちばかり。3等にしかない進行方向と平行に横になる寝台を予約していた。

寝るときには快適とはいいがたかったが、座っている限りは周りの目があまり気にならず、窓がすぐのところにあり、開放感にあふれていて気持ちいい。そして、現地の人たちの行動がよく分かって面白かった。

ゆっきーが僕を撮ると、後方でボーっと宙を見上げるホットパンツ姿の女の子が映りこむ。

駅に停車中、歩道橋から下を見てみた。列車と緑の対比が目に楽しい。

皆が寝ようとするころ、今度は、ゆっきーをじーっと見つめる少年が映りこむ。

途中で、兵役帰りとみられる青年たちも乗ってきた。自分が降りる駅が近づいてくると香水を振って軍服姿に着替えて、軍靴を磨いて到着に備えていた。

朝、カザンに着いた。駅のホームで目についたのは、先ほど下車準備をしていた青年。誇らしげに凱旋している姿がまぶしい。

カザンでは、駅から歩いていけるホテルで1泊。だいたいどこでも駅は立派だ。

ここもW杯の開催地で、もともと観光地のうえに、僕たちチームシマが到着した翌日にはドイツ対韓国戦が控えているとあって、観光客で大賑わい。チームシマも歴史的地区で記念撮影。

城壁を見上げて眺められるスポット。ここでもW杯をアピール。実にお金をかけている。

メインの通りでは、オオカミをモチーフにしたW杯のマスコット「ザビワカ」が。記念写真に納まる人たち。

僕も喜び勇んで1枚。

このカザンの地でハマってしまったのが、「クバス」という微炭酸のアルコール飲料。ゆっきーが衝撃的なおいしさを投稿(「クバス・クバス・クバス」)しているので、詳しくはそちらをどうぞ。

カザンは日本代表のロシア国内でのキャンプ地もあったので、トラムに乗って行ってみた。

すると、急に雷雨が降ってきて道路が水浸し。

降りる頃には雨が止み、キャンプ地の近くのバス停では日本代表が歓迎されていた。

夕方、メインの通りあたりにいくと、地元の高校生くらいの女性たちがTwiceの曲に合わせてダンスを踊っていた。Twiceはご存じの方も多いとは思うが、日本でも大人気の韓国発の多国籍アイドルグループ。こういったシーンをみると、翌日が韓国の試合ということを差し引いても、韓国の女性アイドルグループの国際的発信力の強さを思い知らされる。日本発の女性アイドルグループって海外ウケはあまり考えていないのか、歌にしろ踊りにしろ中途半端に感じてしまう。愛らしさや処女性といった要素を重視しすぎではないだろうか。子どもは正直なもので、東南アジアに住む小学生の姪っ子はTwiceの大ファンで、動画を見ながら歌や踊りをまねしているけれども、AKBグループや坂道シリーズなどには目もくれない。

そのダンスグループの前で記念撮影する韓国代表のサポーターたち。グループリーグ2戦を終えて韓国は2敗して次は強豪国のドイツとの対戦、決勝トーナメントに進出する可能性はほんの少しだけあったものの絶望的な状況に変わりはなく、ドイツは勝ったら決勝トーナメントだったため、本気でかかってくるとみられたし、まあ残念だね、と思っていたら、韓国が本気のドイツに2対0で勝ってしまったもんだから、何が起こるか分からない。

翌日は、朝早くからFIFA号に乗ってボルゴグラードへ。

4人乗りの2等コンパートメントにチームシマの2人しかいなかったので、快適で散らかしたい放題。詳しくはこちらの投稿(「シベリア鉄道はやはりステキだった!」)にも書いている。

この時はパソコン作業もはかどったが、先に進むにつれて作業をする時間がなかなか取れなくなり、更新のモチベーション下がっていく。

そして、日本対ポーランド戦の当日朝、いよいよボルゴグラードに到着!決戦に向けて胸が高まった。