フィンランド その2 何事にもおしゃれな街、ヘルシンキ

日本でおしゃれといえば、思い出すのは広島にある地下街「紙屋町シャレオ」。僕が広島県内に住んでいるときにオープンしたという事情もあるが、「オシャレ」をそのままひっくり返した「シャレオ」という安直なネーミングに当時、絶望的なまでのセンスのなさを感じたことを今でも覚えている。

実際におしゃれなのかどうかは、じっくりと足を運んだことが1度もないからよく分からない。1つだけいえるのは、わざわざ「シャレオ」などと力まなくてはならない時点で、おしゃれさを自ら手放しているように思えることだ。

「おしゃれ」という言葉は、肩の力を抜いた街角の鳥さえもが見事に絵になる、ヘルシンキのような街にこそふさわしい。

フィンランドも残り2日となったところで、チームシマと友達の計3人がみな楽しみにしていたサウナ「Löyly」(ロウリュ)に行く日となった。

その前に、朝からシナモンロール。前日の衝撃と比べると、味はまあまあ。

食べていると、窓から工事現場の人たちのマッチョな足が見えて、少し驚いた。

予約は夕方だったので、港からフェリーに乗って世界遺産の島「スオメンリンナの要塞」を訪れた。もともとは18世紀、ロシアへの防御を目的として築造が始まったらしく、東方にある大国の影響がこんなところにも感じられる。

現地は大層な建造物とは裏腹に、観光客の姿が目立つのんびりしたスポットになっていた。

要塞から戻ってきて、広場のマーケットを冷やかす。

海沿いの辺りも観光客でごった返していた。

昼ご飯は、市場の建物の中とは思えないほどおしゃれな店で。クリームサーモンスープは体に栄養分が染みわたる感覚で、味わい深かった。

トラムに乗って、いよいよロウリュ……の前に「かもめ食堂」に寄っていった。

同名の映画をモチーフにしたお店。中途半端な時間だったためか店は閉まっていて、外から撮影。後ろの窓越しに写っているのはお店のスタッフか。

途中で見かけた、年季を感じさせる集合住宅。ヘルシンキはいちいちおしゃれだ。

ようやく、ロウリュに着いた。

外から見た風景。水着着用なので、外から見られても困らない。むしろ、見せびからしているのかという輩もいた。写真では男の人ばかりだが、中のサウナは男女半々くらいの入り。海にもつながっていて、泳ぐこともできた。泳いでみたら、透明度がほぼなくて、水の汚さに少したじろいでしまった。

洗練されすぎている感はあったものの、サウナ部屋では、出身国の違う見知らぬ人同士が自己紹介から会話を楽しんでいるシーンにも遭遇し、フィンランドのサウナ文化の一端を見たように思う。

宿への帰り、また日本語のお店が目についた。

「いつでも」とは、どんな系統の料理を出しているのか気になったが、店の外からは伺えなかった。後で調べると、寿司屋のようだ。

この近くでは、北朝鮮の存在も見かけた。

道端に置かれていた看板。北朝鮮への旅を誘っているようにみえた。フィンランドと北朝鮮は国交はあるようだが、旅行ニーズはあるのか謎のまま。看板のTravellerは、日本語訳するなら「旅行家」ではなく「旅行者」では?というツッコミは飲み込んだ。

翌日、短いながらも楽しんだフィンランドから出発の日。チームシマと友達の3人でヘルシンキからエストニアの首都、タリンにフェリーで向かった。

フェリーターミナルで取った朝ご飯はやはりこれ。

シナモンロール。あまり記憶に残らない味だった。