前回の最後、アイスランドで事件が発生した。妻のゆっきーがオランダで毛糸を買い、編んでくれた首巻きがいつの間にかなくなっていた。
部屋にはなく、最後に見かけた車の中にもない。どこかに落としてしまった可能性が高い。そうなると、アイスランドの強風であっという間にどこかへ持っていかれていたとしてもおかしくなかった。ひとまず、ゆっきーに何度も謝り、ゆっきーは仕方ないといった風情で対応してくれた。写真は、アイスランドに着く前、フランスからイギリスに向かう途中、在りし日の首巻きをまとった僕。
チームシマのアイスランド滞在は5泊6日の予定で、3泊目の現在地はアイスランド第2の都市、北部の拠点アークレイリ。翌日は南部までぐるっと回っての長距離移動を控えていた。アイスランド全体の行程はこちら。
4日目の朝は、早起きして6時過ぎに出発。まず最初に向かったのは、アークレイリの街が面しているフィヨルド、エイヤフィヨルズルの最も奥の入り江に面したガソリンスタンド。前日、宿に戻る直前に立ち寄っていた。
首巻きを車から落としたとすれば、ガソリンスタンドしか考えられなかった。そして、風向きを考えると、もしかしたら入り江の近くに引っかかっているかもしれなかった。かすかな望みをかけて水面のそばを探してみた。しかし、夜が明けようかという中、首巻きらしきものは一向に見つかる気配がなかった。それでも諦めきれず探す僕。ゆっきーは、もうやめて先を急ごうと声をかけてきた。後ろ髪を引かれる思いでその場を後にした。
横に長い島国を循環する国道1号線、別名・リングロードを走った。幹線道路とはいっても、人口の少ないこの国の北東部では、ロードサイドには店が何もなく、自然の光景と空が広がっていた。
途中、1号線の代わりに95号線になったばかりの区間も。
幹線道路を外れて近道をすると、こんな曲がりくねった道も。雪の白さが道路の存在を際立たせてくれていた。
アイスランドを半周して、島の東側の海岸線が見えた。休憩をはさんでひたすらドライブが続いた。
この日の正午ごろになって、この国最大の氷河湖、ヨークルスアゥルロゥンが近づいてきた。氷河湖はアイスランドを訪れたなら見ておきたかったポイントで、その奥には、湖とは比較にならないほど広大な氷河が広がっている。中央に見えるスキー場のゲレンデのような流れが氷河。
駐車場に着き、車を置いて氷河湖に近づいてみた。
360度カメラを回す僕と、それを見守るロバ太郎。
チームシマとビーバーのごんばはじめで。ロバ太郎は目が氷河の方を向いていたのか、ほとんど鼻と口しか写っていない。
溶けかけた氷と戯れるはじめ。
ちなみに、氷河湖を動画で撮るとこんな感じ。氷河湖から海に向かって氷や水が流れていて、その速さは早すぎもせず遅すぎもせず。海の波の「ひねもすのたり」をいつまでも眺めていたくなるのと同じくらい、見ていてちょうど飽きない絶妙なスピードに感じた。
さらに海の近くに移動して、ゆっきーによる撮影会は続いた。砂浜に氷が点在する、何とも奇妙な風景。
氷河を離れて、首都レイキャビクの方向に少し近づいたところにあったガソリンスタンドとショップで休憩。バス停を見かけたのでチェックしてみたら、1日のバスの本数はここも少なく、わずか1本のみ。レンタカーでもなければ旅しにくそう。
リングロードを走っていると、次は巨大な岩のような風景が見えた。
道が少し内陸の方に入ると、今度は砂漠のような岩肌に虹がかかる不思議な光景。
続いての目的地、スコゥガフォスに到着。時刻は17時30分ごろになり、影が長く伸びるようになっていた。途中で休憩や観光を挟みながら、12時間近く移動を続けたことになる。写真は影を眺めるロバ太郎。
肝心のスコゥガフォスは何かといえば、アイスランド最大級の滝。ということで、僕もオーバーアクションで滝のすごさを表現してみた。
滝でのツーショット。この日の運転は割と楽で、僕の顔からも、ドライブ疲れはそれほどなかったもよう。
滝を後にして、この日の宿をとったクヴォルスヴォールルの町にようやくたどり着こうとしていたころのシーン。昼からずっと晴れていて、夕焼けがきれいだった。
この日の宿「Guesthouse Húsið」にチェックイン。何とか日暮れ前に間に合い、窓の外の夕日を眺めることができた。
宿泊先があったのは、町の中心部から車で10分ほど離れたところ。元は学校施設だったらしい。ログハウス風の2階の部屋で、3人で泊まれる仕様だった。
部屋の反対側の様子。町のスーパーまで車で向かい、弁当やサンドウィッチなどを買って帰ってくるうちに、すっかり暗くなってしまった。そして、夕食を取ってくつろいでいると!なんと!
外に見える緑の光!オーロラ!?
9月末とはいえすっかり冷え込んでいたので、厚着をして外に出てみると。おお、オーロラ!!
まさか9月にオーロラが見られるとは思っておらず、チームシマは大興奮!
写真では露光時間の関係もあってブレブレになってしまうことが多かったが、肉眼ではっきりと見えた。この世のものとは思えなかった。
泊まっていた部屋から。馬はオーロラには目もくれず草をむしゃりむしゃりとやっていたようで、いつまでもオーロラを見飽きないのは僕たち人間ぐらいなものか。この1日だけで、存分に自然を満喫した。