モロッコで僕たちチームシマが訪れたのは、タンジェ、シャウエン、フェズ、ラバト、マラケシュ、トドラ渓谷、ハシラビード(サハラ砂漠)、エッサウィラ。導かれるようにルートが決まっていった。最大都市のカサブランカや、観光地のワルザザートは通り過ぎたものの、主な観光地はおおかた訪れたと思う。
そこで、これまでの投稿では紹介しきれなかった動画をいくつか紹介する。
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バリカンカット中の叫び声@マラケシュ
最初のマラケッシュ滞在中、僕が宿のオーナーの友達にフランス仕込みの(フランスでカットしているプロの散髪屋さんらしい)技を披露してもらっていると、横では子どもたちの叫び声が。
何をしているのかな~と思いきや。
なんと、干していた毛布で大人たちにハンモックのようにして遊んでもらっていたらしい!
フナ広場の喧騒@マラケシュ
1回目のマラケッシュ滞在の投稿でも紹介したフナ広場は、ぐるっと見渡すとこんな感じ。
タイムラプスで撮影したら、一気にコミカルに。
人間観察が楽しくて、飽きなかったなあ~!
移動中のすごいトラック@アトラス山脈
トドラ渓谷の投稿の際に、写真では紹介した大荷物を積んだトラック。
実際はこんな感じで左右によろけながら走っていて、危なっかしかった。
BGMは乗客のおばさんの声。この時のバスは、チケット売り場のおじさんが「一番前の席にしてやる」と眺めのいい席を取ってくれたが、実際はうれしくない配慮になった。ゆっきーは「日が出るまでは寒くて寒くて凍死するかと思った~」との弁。
子どもたちで立ち往生@ワルザザートあたり
動物たちが道路を渡っていて行く手を阻むのは、外国ではよくある話だが、ここモロッコでは。
下校中の子どもたちに道を塞がれて動けなくなったバス。
BGMは、運転手さんがきいていたラジオドラマ。ゆっきーいわく、
「海外のバスは基本、運転手がDJで好きな音楽とかラジオを流してる。ノリノリのダンスミュージックの時もあれば、アラブの演歌?みたいな時もあり、自分の音楽を聴いているときよりも結構楽しい。
日本のバスって厳しいよね~と思う。もっと楽しく仕事してもいいよね~」
僕も同感。反対に、モロッコのトラック運転手は大量の荷物を運ばされて大変だ。
40代の旅人の視点からみたモロッコ
これまで訪れたどの国よりも1回の滞在が長くなったモロッコは、暮らしてみたいとは思わなかったものの、観光地としては過ごしやすく、居心地がよかった。
暮らしについては、やはりイスラム教の国としての制約が大きい。特に飲食の制限が多く、短期の旅行ならともかく、新たな食習慣に順応していくのはハードルが高いと思う。豚肉は食べられないし、ここモロッコではあまり厳格ではないものの、お酒の類も一般的ではない。また、女性の服装は、イスラム圏ならではの気の遣い方をする必要がある。このあたりの事情はどのイスラム教の国に行っても変わらないと思う。このほかにも、僕のような年ごろならともかく、10代や20代なら男女交際についての制約も大きなストレスになるかもしれない。
観光面では、宿泊や長距離移動も高級なものから外国人バックパッカー向けのリーズナブルなものまで、ほとんどヨーロッパと同じ基準といってもいいくらいにそろっていた。
モロッコは以前からアフリカよりもヨーロッパを志向していたようで、その影響があるのかもしれない。1987年にはEUの前身の1つEEC(欧州経済共同体)に加盟申請したが、却下されていた。歴史をさかのぼれば、モロッコに拠点を置いたイスラム王朝がイベリア半島に進出していた時代もあった。
ところで、地方ではバックパッカー向けのレベルにまで達していなさそうな、くたびれた宿泊施設も見受けられた。別の見方をすれば、高級なサービスを享受できる人たちがいる一方で、そうではない人たちも多数いる(特に地方)ということで、この国の貧富の差が大きいことを如実に表しているようにも思えた。
そして、モロッコはヨーロッパとは勝手が違うところもみられた。
例えば、普段の食事や買い物はクレジットカード決済を利用できる場面が激減して、現金決済が主になったこと。
あるいは、ラバトやマラケシュといった大都市を除いて街の公共交通は当てにできず、タクシーか歩きか、という2択を迫られる場面が増えたこと。だからこそ、メディナや新市街が小さくまとまったエッサウィラのような町のほうが、ちょうどいい規模感のように感じた。
土産物は衣料・服飾・コスメ・小物と独特なものがそろっていて、買い物目的なら楽しめる国だと思う。幼い子ども向けからおじいちゃん、おばあちゃん世代に響きそうなものまで、選択肢には困らなさそう。ただ、物によって品質はピンキリで、スーク(市場)ではたいてい価格交渉も必要なため、買う側に目利きと交渉力が求められそうなのが、日本や欧米との大きな違いだった。
そして、モロッコに来たてのころから多少、感じていたのが、この国に通底する「きな臭さ」。街中にやたら国旗がはためいていたのはその1つで、国王の写真を様々なところで見かけたこともまた1つ。国王の写真については、公共の場では掲示するよう法令で定めがあるらしい。
ちなみに、マラケシュのフナ広場では、この写真の右上、スーツ姿の国王の写真パネルの左側にモロッコの地図も掲げてあった。その地図は、西サハラまで赤く塗られていて、何かしらタブーの臭いを感じ取った。実際に西サハラを訪れるころには、もっと強い印象を受けることになった。
これまでいくつかの視点で書いてきたが、モロッコを再び訪れたいかといわれたら、また行ってみたい国だ。次は地中海沿いの街を転々とするとか、砂漠にもっと滞在してみるとか、ドライブ旅行とか、今回は行けなかった夏場とか、何かテーマを決めて旅するなら、この国の新たな側面が発見できるように思う。