【旧作】シベリア鉄道はやはりステキだった!

モンゴルとロシア国内の移動で鉄道を5回乗りました。しかも、うち2回はサッカーのロシアW杯に合わせて運行されていた無料列車のFIFA号!なかなか席が空いておらず、取れたのはラッキーでした。
日本でもよく知られているシベリア鉄道のルートから外れるところも含めて、運営しているのは国有のロシア鉄道です。車両も細かい仕様を除いて一緒です。

高校野球でよく聞く校名を聞いただけで「ああ、強豪校だな」と暗示にかけられてしまうように、初めて乗るまでは「シベリア鉄道」の言葉だけで軽く興奮状態でしたが、実際に乗るとすぐに景色に慣れてしまい、あとは単調な時間が過ぎていきます

シャワーを浴びれず、食事もインスタント食品が中心でパターン化しがち、駅で売っているものはロシアの物価を考えるとどれも割高。それでも、車窓から外を眺めているだけで風情があって、ボーっとしているもよし、読書したり他のことをしたりしていてもよし。のんびりしたい旅にはもってこい。すっかり気に入ってしまいました。

途中、イルクーツクでsimカードを買ってからはスマホも使えるようになりましたが、モスクワ近郊と停車駅、通過駅の近く以外は電波が通じないところも多く、スマホから離れざるをえないところもよかったのかもしれません。

このシベリア鉄道、予約を取るときに少し難儀したのは、モンゴルとの国境をまたぐ路線はロシア鉄道のホームページで買えません!そのため、別のチケットサイト(Real Russia)で買いました。
しかし、ここでも一苦労が!

前回、少し触れたのですが、チケット受け取り場所に指定されたウランバートルの旅行会社のオフィスが異様に分かりにくく、イミナさん夫妻についてきてもらえてこれまた本当にラッキー。チケットオフィスに向かう途中は悪路もあり、ぬかるみにはまる車も…行き来する車の人たちで助け合う姿が新鮮でした。

最初に乗ったウランバートル駅は数少ない国際列車しかないようで、かなり閑散とした感じ。ホームも屋根はなく、雨の日は大変そう。

使ったルートはウランバートル ― イルクーツク ― エカテリンブルグ - カザン - ヴォルゴグラード - モスクワ

で、最初のシベリア鉄道は夜中に国境越えです。モンゴルの出国審査があっさりだったのに対し、ロシア側の入国審査は、冷たい形相をした係官たちにパスポートを偽造判定ができるような機械まで使ってくまなくチェックされ、荷物チェックも当然あり、ちゃぶ台返しのように寝台を返してチェックされます。麻薬探知犬まで登場、ピリピリした物々しい雰囲気でした。

ところで、この国境越えの日はW杯の日本代表の初戦。ヴォルゴグラードで第3戦の観戦予定があったチームシマとしては結果が気になっていましたが、ネット環境もなくテレビ中継も見られず(この日の車両はたまたま、テレビモニタが各コンパートメントにあったのですが、ザーという砂嵐しか映らず。シベリア鉄道でモニタを見たのはこの1回だけでした)、まあ普通に考えてコロンビアに負けただろうなと思っていたら、親切にも試合結果を教えてくれたのは!

ロシア係官の1人!「君たち日本人?日本はコロンビアに2対1で勝ったよ、おめでとう」と、目を合わさず表情を一切変えずにさりげなく教えてくれました。

もう、ロシア人たらシャイなんだから!(というのは、この先、旅していて思ったことで、この時はうれしさの反面、やはり機械的だなロシアの役人は、と思っていました)

朝、起きて見えたのは、この旅で訪れたかったバイカル湖。

ロシアに来たなあ…というよりは、琵琶湖どころちゃうやん!ほとんど海やんこれ!!

チームシマが乗ったのは基本的に4人部屋の2等寝台。いちばん長かったイルクーツク―カザン間のロシア号では、ロシア語しかしゃべれない父子と同じ車両で丸2日間過ごすことに。気のいい人たちで、少しずつコミュニケーションを取っていたけど、言葉が通じないのは少しストレスでした。

このロシア号、ウラジオストクからモスクワまで走っていて、チームシマの前にも乗客がいたみたい。寝台に挟まっていた新聞を見てみると…

エロ新聞2冊でした…!しかも1冊の表紙はロシア国旗を顔にペイントした女性がサッカーボールを持っていて、便乗してる感がありあり。

ロシア鉄道では、1回だけ3等寝台でした。コンパートメントになっていない開放寝台で、周りはロシア人ばかり。ベッドも超せまかった。ただ、このときは進行方向と平行の寝台で、ベッドを倒していないときは向かい合って座ることができ、2等寝台と違って周りの目を気にしなくていいことは良かったです。

兵役帰りの少年たち一行が、自分の降りる駅の前で急に身なりを整え始め、靴を磨いたり、香料をつけたりして凱旋に備えているのがほほえましかったです。人々の素顔が見えるのも3等寝台ならではと思います。運賃が安いですし、ベッドの狭さやローカルな雰囲気を苦にしない方ならおススメです!!

カザンからヴォルゴグラードに向かうFIFA号は、同室の2人がキャンセルしたため24時間貸し切り状態!

自宅にいるようにモノを散らかし放題!他の路線と違って駅に泊まっても降りられなかったこと、クーラーがガンガンだったこと以外はとても快適でした。

ロシアにまた来ることがあればシベリア鉄道に乗りたいです。寒い季節に乗ったらどうなのか体験してみたいような、したくないような。