【旧作】パンダとパクリとパワーゲーム

世界一周の最初の寄港地は中国の北京。
今回のフライトは中国国際航空で、初めての利用でした。これまでに他の中国系の航空会社を使った経験から、あまりサービスには期待していませんでした。

が、飛行機が動き出し、機内安全ビデオが映し出されると、画面にくぎ付け!!

というのも、一般の乗客に交じってパンダが乗っていて、シートベルトの締め方を隣のサラリーマンと思しき人から教わっているのです。

しかもこのパンダ、緊急時に酸素マスクがブラーンと下がってくると、うれしそうにマスクを取ろうとしているではありませんか!

緊急時なのに!!

しかもそのあとには、サラリーマンに酸素マスクをつけてもらって、両手で頬を抑えたりもしています。

照れてる場合かよ!!

パンダは緊急脱出時にスライダーを降りるときにも、滑り台で遊ぶ子どものように喜んでいました。

喜んでいる場合かよ!

最後には北朝鮮の朝鮮中央テレビにでも出てきそうな雰囲気のお姉さんとともにビデオを締めくくっていました。

公安関係には非常に神経を注いでいそうな中国の、フラッグキャリアともいうべき航空会社の機内安全ビデオがこれだけユニークな、不謹慎ともいえる内容になっているところに、清濁併せ呑む中国らしさを感じます。乗客に安全確認をしてもらう、という意味では成功しているといえそうでした。

清濁併せ呑む、というところでは、中国のパクリ社会を彷彿させる場面を北京首都国際空港で見ました。

国際線ターミナルのテナントのなかに「上島咖啡 UBC COFFEE」を見つけて、一瞬、私の目がおかしくなったのかと疑いました。

日本の「上島珈琲店」「UCC」とは全く別物のお店です。しかも、店の前に張り出しているメニューを見ると、コーヒーよりも食事のほうに力を入れているようです。

あとでネットがつながる環境になって確認すると、上島珈琲よりも後発だったものの、商標関係もクリアして、中国国内で1,000店以上のチェーンを持つ会社になっているとか。まあ、GoogleやFacebookを排除して別のサービスを流通させる国ですから、何でもありというのも分かる気がします。そういえば、パンダは中国のパワーゲームの“武器”として「パンダビジネス」や「パンダ外交」に使われてきました。

機内安全ビデオは、乗り換え後のモンゴル行きのフライトでも十分に堪能させてもらいました。